カラー・トリートメントが女性の薄毛の原因
前号は、私が15年近く育毛の現場で仕事をしていて感じる男性型脱毛症発症の仮説でした。
男性型脱毛症の仮説をもう一つ
もう一つ追加で感じている仮説があります。
それは、テストステロンが5αリアクターゼ2型の影響によりジヒデロテストステロンに変換されるのは、遺伝子の指示(ONかOFFか)によるのではないか?と言う仮説です。
体の老化度が進行すればするほど、もしくは、男性的で無くなればなくなるほどジヒドロテストステロン(DHT)を作る指示が強力に出るのはないか?と言うこと。
ジヒドロテストステロンの生成は、必然の可能性が高いのでこの仮説は間違っている可能性は高いですが・・・。全く駄目とも言い切れないかと。
前号で書いた仮説にしろ今号の仮説にしろ、どちらにも遺伝子の「ON」と「OFF」が絡んでいるように思えてなりません。
実は、この「ON」か「OFF」のいずれかを選択する環境の中に、女性の薄毛の原因があるのです。
女性は男性型脱毛症にはならない
男性の場合は遺伝子の「ON」と「OFF」によりホルモンの影響を受けるのでハゲてしまうが、女性の場合は単に頭皮や心身の問題だけなのでハゲることがないのだと思います。
もし、女性の方で男性型脱毛症だと言われた経験があるなら、全くもって畑違いの診断?助言?だと言えますね。
何せ、女性の頭皮・体には5αリアクターゼ2型が存在していないらしいのですから。
さて、それでは女性の薄毛の原因は何でしょうか?
女性の大きな問題はヘアケアにあり
私が、育毛を仕事して取り組み始めたのは1999年くらいからです。1996年くらいから製品の取扱いをしていました。本腰を入れて取り組み始めたのが1999年くらいからです。そして、現代に至ります。
ご相談者を男性と女性とで割合を計ってみる
あくまでもメールでのご相談者に限ります。
- 1999年~2000年:リアップの発売もあり男性が9割程度
- 2001年~2003年:男性と女性の割合が五分五分になり
- 2004年~2005年:男性4割で女性が6割になりました。
2005年の後半からは、無料でご相談を受けることを止めました。が、ヒントを提供するご相談は無料で受けていました。
そのヒントを提供するご相談では、女性のご相談が6割くらいで未成年のご相談が2割で、残りの2割が男性になっていました。
現在は、メールでのご相談パターンは少し変わっています。詳細は以下をご覧下さいませ。
http://www.genki-life.net/kami/sodan/patern/sodan-3000.html
このご相談者の男性と女性の割合をどう見るか?です。ここからは状況証拠による仮説になります。
カラー・パーマ・美容院でのケアが薄毛の原因
通常、毛はその時していることで変化が出たりはしません。その時していることは、次に生え変わってくる毛に対して影響します。
ですから、カラーやパーマをしても、美容院でトリートメント等々をしても、その時生えている毛が薄くなったりはしないのです。
毛の生え替わるサイクルに沿う
女性の毛が全て生え変わるのに、概ね4年~6年と言われています。
1度の生え変わりで薄くなってくる場合もあれば、2度くらい生え変わって薄くなってくる場合もあります。
ですから、今抜け毛が急増して薄くなったのら、過去4年~12年くらいの前からカラーやパーマ・美容院でのトリートメント等を頻繁に始めたのではないかどうか、を振り返ってみて下さい。
私が受けたご相談の男性女性の割合の推移をみて下さい。2001年~2003年を境にして女性の割合が増えています。
この期間から10年前後昔となると何があったのでしょう?
皮脂を取り綺麗にしてカラーをするから
振り返ってみると、1990年頃から育毛サロンのTVや雑誌での広告宣伝が激しくなり、「ハゲたくなければよく洗え!」と思わされて、清潔志向が強くなり毎日洗髪する人が急増した時期です。
そして、それに追い打ちをかけるように、1995年前頃から女子高生が茶髪をするようになり、一気に多くの女性にカラーで毛を染める行為が広がったのです。
薄くなり始める10年前の前後
相談室にいらっしゃる女性に、カラーやパーマ・美容院でのことを詳しくお聞きしますと、薄毛が気になり始め時がたいていカラーやパーマを始めたのが10年前後以前になっている人がほぼ100%です。
ただ、間違ってはいけないのは、根っこには、普段皮脂を取り過ぎるシャンプーで頭皮を綺麗にし過ぎていると言う現実があることです。
皮脂を取り過ぎて、清潔にし過ぎて、頭皮が弱っているところにカラーやパーマ・美容院でのトリートメントを行うから薄毛になるのです。
頭皮を痛めてカラー・パーマ・トリートメント
だから、女性の薄毛は頭皮を傷めつけていることが根本なので、弱った皮膚が緩み髪の重みで毛穴と毛穴の間が広がり、細い毛しか育たなくなるので分け目がパックリと割れたようになって地肌が見えるのです。
もっと難儀な問題が女性にはあります。それに関しては次号で書きたいと思います。
ヘアケアの原因を防ぐには
本日書いたヘアケアの原因を防ぐことはできますが、今現在薄くなっている人や薄くなりかけている人の場合防いでも回復できないと思います。
貴女に必要なケア法を採って、気長に続けて欲しく思います。
防ぐにはどうするか?その製品の目的に沿った使い方をすること(頭皮に付けない)。適度な間隔を空けること。汗をかくこと。
187号は平成24年(2012年)5月19日に配信したメールマガジンです。
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