164号：皮脂を取り清潔にするからフケ・かゆみ・臭うようになる

頭皮には皮膚常在菌や皮脂膜と言うバリアがある

Lion（ライオン株式会社）のTVCMをご存じの方は多いと思います。「キレイ、キレイ」です。

あのCMを見ている限りでは、多くの方々の中には手洗いで「殺菌しなければならない」と思わされている方が多いのでは？と思います。（私も、そんなCMだと思っていました）

過剰な洗浄は、皮膚のバリア機能を低下させる

ところが、Lionさんのホームページを拝見すると、「私たちの体には、ウイルスや細菌から体を守ってくれるバリアがり、そのバリアはとてもデリケートだから、過剰な手洗いやうがいは、このバリア機能の低下の原因を作ってしまう」

そして

「手や指の表面には常在菌が生息していて、常在菌によって作られた皮脂膜が手荒れや悪玉菌が増殖することを抑制するバリア機能の役割をしている」

と書かれています。
にも関わらず、石鹸での手洗い、うがい薬でのうがい、消毒液での手の消毒を推奨しているのですね。

頭皮には皮脂膜と言うバリアがある

この相反する内容をどう見るかは、読者の方々のご判断におまかせしますが、

1. 皮膚にはバリア機能が備わっていて
2. その機能は、皮脂膜が担っている
3. 過剰な殺菌や消毒・洗い方はバリア機能の低下を促す

この３つは、頭皮にも言えることだと思って下さい。

これらを見てみると、現代の日本人は過剰な洗髪をして、ご自身のバリア機能の低下を促していると言えます。

清潔にするから常在菌が繁殖し皮膚の状態が悪化する

たぶん、読者の方々の中には、以下のように思っている方が多くいらっしゃると思います。

• フケが出るのは不潔にしているから、とか
• 臭いが出るのは不潔にして常在菌の繁殖が多くなっているから、とか
• かゆみが出るのは不潔にして皮膚の状態が悪いから、とか。

本当にそうでしょうか？

浮浪者・戦前戦中戦後はどうか？

それなら、浮浪者の方々の頭皮はどうなんでしょうか？今から４０年前くらいの日本人はどうだったのでしょう？戦前戦中戦後の日本人はどうだったのでしょうか？

浮浪者の方たちは、たぶん1ヶ月に1回も洗髪はしないでしょう。頭を洗うことはあっても、水ですすぐくらいが限度だと思います。

４０年前の日本では、各家庭にお風呂が普及し始めた頃で、銭湯に行っていた時代ですので、多くて３日に１回、少ない人だと週に１回くらいお風呂に入り洗髪していたと思います。

戦前戦中戦後となると、もっと少ないだろうと推測できます。

清潔にするから脂漏性湿疹・皮膚炎になる

もし、皮脂を取り頭皮を清潔にすることが必要なら、戦前戦中戦後・４０年前・浮浪者の方々に脂漏性湿疹・皮膚炎が蔓延しているはず。

フケ症・臭う・かゆみも同じです。

ところが、あくまでも私が相談室でご相談を承っている限りでは、清潔志向が行き過ぎている現代人の方が脂漏性湿疹・皮膚炎になっている人が多いだろうし、１日洗髪しないとフケ・かゆみ・臭いが出る人も多いだろうと推測できます。

毛穴掃除は最悪のケア

Lionさんのホームページに記載されている通り、皮脂膜がバリア機能を担っているのですから、毛穴を掃除するべく、皮脂を取るようなことを習慣にしているからフケが出るのであり、臭うようになるのでありかゆくなるのです。

そして、バリア機能を低下させているのですから、頭皮が弱ってしまい、血流が落ちるので、抜け毛が減っていき、何年かすると薄毛発症となるのですね。

前回書いたエネルギーレベルの低い人の場合には、頭皮と心身両面から弱りやすいので、清潔にすればするほど薄毛になる可能性が高まるのです。

バリア機能を低下させるから皮脂の分泌が増える

皮脂の分泌が増えて、表面上べとべとした状態になるのも同様です。これも、バリア機能が低下して皮膚表面が傷つくから浸潤したようになって、皮脂の分泌が表面上増えるのです。

今、１日洗髪しないと
フケが出るとか
臭うとか
かゆみが出るとかなら
清潔にし過ぎる習慣が原因です。

洗髪方法が、お使いのシャンプーの目的に合致していないのです。

そういった意味で「キレイ、キレイ」のCMは罪作りだな！なんて思ってしまいます。

お使いのシャンプーの目的は何でしょう？

あなたがお使いのシャンプーの目的が、髪を綺麗に魅せる為のものなら、頭皮ではなく髪を洗って下さい。女性が好むシャンプーやTVCMで流れるシャンプーは、全て髪を綺麗に魅せる為のシャンプーです。

そして、皮脂を取ったり、毛穴掃除するシャンプーや行為は、毛を無くす原因になるので、絶対にしないようにしましょう。

164号は平成23年（2011年）6月11日に配信したメールマガジンです。