薄くなる時最初に現れる症状は何?
104号では、「毛が増える為の効果は何だと思いますか?」と言うテーマで書きました。覚えていらっしゃいます?
以下前号の抜粋です。
風邪を引いて寝込むまでに段階があり、治る時も段階があります。治る時は、寝込む時の段階を解決していき最終的に治るものです。
毛も一緒で、薄くなる時には薄くなる為の段階があり、毛が増えるにはその段階をなぞるように改善しながら増えていくのです。
と書いていたかと思います。思い出しました?
薄毛が発症する前の段階の症状
今号では、薄くなる時に、最初に現れる症状について書きたいと思います。
- 「抜け毛が増えるからじゃないの?」とか
- 「抜け毛が急増するからに決まっているじゃない!」と
考える人は、普通の人ですけど、事実をちゃんと見ていません。
抜け毛が急増して「薄毛発症!」が一番多い
抜け毛が急増して薄毛が発症する時期には、相当状態が悪くて内部では進行していて、本当はもっと何年も前に前触れがあるものなのです。
まるで糖尿病のようですね。症状が表面に出てきた時には遅いって。
ヘアケア製品の影響で分からない
皆さんが好んで使っているヘアケア製品の中に、これらを感じさせないものが多いので、分からなくなっているだけです。
抜け毛が増えて薄くなるのも怪しい?
そして、「抜け毛が増えて薄くなる」のも本当は怪しい話なのです。何せ、先入観や固定観念で、「毛が抜けること=薄毛になる」と思わされている人が多いのですから。
その為、多くの人は、薄くない時には抜け毛を気にしていませんが、薄くなった時に抜け毛を気にし始めています。
抜け毛が多くなったから気になり始めたのではなく、薄くなり始めたから抜け毛を気にするようになった、と言う方が当たっている人がご相談者には結構たくさんいらっしゃるのです。
ただ、本当に抜け毛が急増して、薄くなる人が多いのも事実です。
抜け毛の増加がスタートラインではない
が、ここが薄毛のスタートラインではないことを、理解しておかないと、育毛の効果で求めるものを間違えます。
ここからが、今号の本題中の本題です。
一番最初の薄毛になるであろうスタートラインは、
『髪の毛が痛みやすくなること』なんです。
でも、髪の毛が痛みやすくなった段階では、まだ100%薄毛になるわけではありません。何%かは分かりませんが、薄毛になる確率が少々出始めた段階です。
ここに、個別には違ういろんな原因がたくさん絡んで、何年も経ってから、最終的に「抜け毛急増→薄毛」と言う変遷を辿るのです。
また、この段階を経ずに第二段階の頃から、薄毛の一歩を踏み出す人もいらっしゃいますので、絶対ではないこともご了解下さいね。
小さい頃は髪は痛んでいない
ほとんどの人は、男性でも女性でも、小学生や中学生の頃くらいまでは、そんなに髪が痛んでいなかったはずです。
中学生になり異性を気にし始めたり、格好の良し悪しを気にし始めると、やたらとヘアケア製品を使い始めます。
ヘアケアが薄毛の一番の問題点
シャンプーは洗い上がりやスタイルを決めやすいものや、綺麗になりやすいものを選ぶようになるし、早い人だと中学生くらいの頃からカラーや縮毛矯正をするでしょう。
ワックスやムース・ジェル・ヘアスプレー等でセットしたり、リンスやトリートメントをしっかり使ったりし始めます。
これらのヘアケア製品の使い始めや、カラー・縮毛矯正のし始めの頃は、髪もそんなに痛みません。が、続けているうちに毛が痛んでくるので、その痛みを隠す為に、さらにヘアケア製品を使う人もいるでしょう。
最初の頃は、髪の表面が痛むだけですので、リンスやトリートメントをちゃんとしていれば、何とか痛みは気にならないで済むようにはなります。
ところが、これらを続けていくうちに、リンスやトリートメント・ヘアケア製品だけでは痛みを解消できなくなってきます。
美容院でのトリートメントやヘッドスパが問題
自分では痛みを解消できなくなってくるので、今度は、美容院でトリートメントをして、髪の痛みを解消しようとします。
美容院でのトリートメントも、最初の頃は良いのに時間が経つにつれて取れやすくなってきます。(毛質を良くすると訴えているのに、取れてくるっておかしいですね。)
この経過って、どういうことなのか、お分かりになりますでしょうか?
乳化剤やコーティング処理剤で髪と頭皮を痛める
髪が痛む理由は、安価なヘアケア製品には安価な界面活性剤が乳化剤やコーティング剤として使われているので、髪表面を綺麗に見せるのは有効だけど、洗髪で開いたキューティクルから髪内部に浸透して毛自体の質を悪くするのです。
界面活性剤のマイナス面である、たんぱく質変性をおこすのです。
毛を痛めると言うことは、毛より柔らかい頭皮をもっと痛めると言うことです。
残留した界面活性剤は毛穴に入り込みやすい
痛んだ毛を隠すと言うことは頭皮にも残留するので、界面活性剤が毛穴に入り込みやすいと言うことです。そして、毛を作る組織が変性して衰えてしまい、実の詰まっていない目の粗い毛しか作れなくなるのです。
痛みやすい髪しか作れない
結果として、最初は毛は痛むようになり、最終的に「目の粗い毛」で「痛みやすい毛」しか作れなくなっていきます。
かなり極端なことを書いていますので、上述に当てはまらない人もいらっしゃいます。そんな人でも、小学生や中学生くらいの頃は、市販のシャンプーは使っていらっしゃるでしょう?
女性の中には、上述したことそのままだ、と言う人もいらっしゃると思います。
そんなヘアケアの習慣が怖い
薄くなり始める1年2年前に、上述のことがあればまだ分かりやすいです。が、薄くなり始める3年~10年くらい前(もっと前のこともある)の話になるので、本当のことが分からない人が多いのですね。
「目の粗い毛」で「痛みやすい毛」しか作れなくなると、洗髪時に毛が水をたくさん吸うので、乾かすのに非常に時間がかかります。
自然乾燥は薄毛の原因にもなる
中々乾かないからと、自然乾燥なんかしていませんでしょうね。時間がかかっても、
ドライヤーでちゃんと乾かして下さいね。ドライヤーでは毛や頭皮を傷めませんから。
「ドライヤーの温風が毛を痛める」と言っていた人たちは、目の粗い毛しか作れなくなっているのを、知らなかったのでしょう。
毛質が良くなると早く乾く
証拠に、私の相談室でケアをされる人の毛を見ていますと、最初は、水を良く吸うので中々乾きません。男性でも女性でも一緒です。
ケアを続けていくと、段々毛がしっかりしてきて、硬くなる人までいて、ドライヤーを使うとすぐに乾くようになっていきます。
よくよく毛を見ると、毛と頭皮が水を弾いているのですね。だから、タオルでふき取ると半乾き状態になって、ドライヤーの温風を吹き付けるとすぐに乾くのです。
さすがに、毛の長い女性は、さっと乾くようにはなりませんが、それでも、最初に比べると半分以下の時間で乾くようになります。
毛の長い女性だと、ケアを始めて半年を越えると、痛みの激しいところ、そうないところの境目が分かるようになり、根本であればあるほどすぐに乾くので、薄くなる前に、どれだけ毛にも悪く、頭皮にも悪いことをしてきたのかがよ~く分かります。
そうなんですね、薄くなる前兆として、一番最初に髪の痛みがひどくなるのです。こうなることで、薄毛になる一歩を踏み出すのですね。
ここに、個別には違ういろいろな原因が絡んで、薄くなっていく人が多いのです。が、中には、体の内部やその人の環境自体が主になっていて、髪が痛むことがないのに、薄くなる人もいらっしゃいますので、全てが全てだとは思わないで下さいね。