141号：ヘッドスパには要注意！

皮脂を取り髪を綺麗にするヘッドスパは危ない！

美容院では、ヘッドスパを導入するお店が急増しているようです。ヘッドスパを行う設備（そんなに高価ではありません）の中古は、入荷したらすぐに売れてしまうそうですから。

ヘッドスパが流行る理由

それだけ今ヘッドスパが大流行りなのですね。何故大流行りなのでしょう？
ちょっと考えれば分かります。

1. 今頭皮に不安を抱えている女性が非常に多いということ
2. 店舗側すると客単価の低下に歯止めをかけられる

この2つが非常に大きいように思います。今号では、この2つについて考えてみます。

1.今頭皮に不安を抱えている女性が非常に多い

そうなんですね。
カラーをすると頭皮に染み込みますから、嫌でも「大丈夫かしら？」と思います。

それに、ご自分で頭皮を見ていると、どうも健康的な色をしていない。赤くなっているような、赤茶けているような。

頭皮の毛穴は詰まらないのに・・・

それと、TVCMでは「頭皮の毛穴の詰まり」と言っているから、「私も詰まっていないかしら？」と毛穴の詰まりを心配しているわけです。

そして、毛穴が詰まり毛が生えてこないので薄くなると思わされているので、薄毛の原因をそこに求めているのです。

で、頭皮に不安を抱えている女性が増えているのです。

2.店舗側すると客単価の低下に歯止めをかけられる

今、あなたの自宅の近くに美容院は何件ありますか？カラーにかかる費用は、10年前と今とでいくら違いますか？縮毛矯正にかかる費用はどうでしょうか？

客数が増えない・客単価は下がる

人口が減少していると言っても、まだまだ急激に減っているわけではありませんが、少なくとも増えてはないわけです。でも、店舗数や美容師数は増えています。それと同時に、女性の薄毛人口も急増しているように見受けられます。

お店側からすると、今までのメニューでは客数と客単価が減っているのですね。

「少しでも他のお店との違いを出して客数を上げたい」「少しでも客単価を上げたい」というのに、ヘッドスパはハマったわけです。

ということで、(1)の女性が増えていることと(2)の店舗側の都合が合致したわけです。

ヘッドスパがいけない・危ない理由

まあ、中には「お客さんの頭皮をなんとかしてあげたい」と考えている美容師さんもいらっしゃるでしょうが、ほとんどいないと思った方が良いですね。

じゃ、何故ヘッドスパはいけなのでしょうか？

それは

1. 毛穴は詰まらない

   特に頭皮の毛穴は詰まりません。毛が育たないほども詰まったらエライことで、生きるか死ぬかの問題にもなりかねません。

   その理由を知りたければ、中学校か高校の時の理科か生物の教科書を読んで下さい。答えはないかもしれませんが、毛穴が詰まらない理由が理解できるはずです。

   ゆとり世代の方々は、あなた方の親御さんが学生だった頃の教科書を見せてもらうと良いでしょう。

2. 毛穴が詰まるからと皮脂を取り過ぎると頭皮が駄目になる

   皮脂は皮膚に必要な分泌物です。これを取り去るのは皮膚の抵抗力を弱めてしまうので、皮膚の病気になりやすい頭皮にしてしまいます。

3. 女性の好むヘアケアは、頭皮を駄目にする。（シャンプー・トリートメント・リンス・ワックス・スプレー等）

   女性が好むヘアケアは、綺麗に見せることと洗い上がりが良いことが最優先です。これは、毛にコーティング処理剤やスタイリング剤を残すことになり、頭皮にも残り・洗浄成分も一緒に残るので頭皮を駄目にするのです。

   美容院のヘッドスパが最悪なのは、頭皮を綺麗に仕切ったところに、これらのものが残留し頭皮や毛穴に浸透するから。

   これらの成分は普通でも毛穴内部に浸透しやすいのに、皮脂を取り去ることでさらに浸透しやすい環境になっているところに使うのですから最悪なのですね。

美容院の業務では育毛をするのは無理がある

美容院は、女性が好む・求めるヘアケアを優先せざるを得ないお店（業界）ですから育毛はできないのです。

このことが分かっていらっしゃる美容師さんは大したものだと思いますが、1000人の美容師さんに1人いれば良い方だろうなぁと思います。

頭皮をダメにしているヘッドスパが多い

今は、流行りすたりでヘッドスパが宣伝されています。

その目的や出てくる効果は、頭皮を駄目にして毛を無くす効果に繋がっているように感じます。

ヘッドスパの目的を間違っている

実際、私の相談室にご相談にいらっしゃる方々は、そんな頭皮にしてしまっています。何のためにヘッドスパを行うのかが間違っているし、間違った目的の為に行っているのですから、出てきている効果も毛を無くす効果になっています。

このメールマガジンを読んでいらっしゃる読者の方々だけでも、そんな宣伝に乗せられないで下さいね。

141号は平成22年（2010年）5月22日に配信したメールマガジンです。