276号:抜け毛について

275号:あなたの毛を作り育てる能力は?

毛を育てる力は個人差が激しく、毛を育てる力が弱い人の方が薄毛になりやすい。アトピーや喘息・皮膚が弱い人は皮脂の分泌能力も弱く毛を育てる力も弱い。

276号:抜け毛について

抜け毛について

最近の傾向として、初めてのご相談時には抜け毛が異常に多い人がとても多いです。出版した本を読んでご相談にいらっしゃる方に共通です。

今ウイッグのCMが多い理由が分かる

私の仕事場ではテレビを見ることができるので、平日の日中は昼食時にテレビを見ることが多いです。

その時のCMを見ていますと、野際陽子さん(2018年6月13日にお亡くなりになっています)が出ているウイッグのCMがとても多いです。

ずっと何故なんだろう?と不思議に感じていましたが、やっと納得することができました。

毛に元気がない、寝てしまっている

CMを見ていると、年配の女性がウイッグをする前とした後の違いを見せています。

使用前はヘナっと寝てしまっていてボリウムが全くありませんが、使用後はふんわかするウイッグを乗せるものだから、かなりボリウムアップして見違えるようになります。

このヘナっと寝てしまうような毛しか育たない頭皮とは、どんな頭皮でしょう?
原因はいくつか考えられます。

  1. 毛を作る酵素の働きが弱っていて、目の詰まった毛を作れなくなっている
  2. 酵素の働きに影響を与えているのが体温。体温が低めの人が多い
  3. 酵素の働きを良くする為のミネラル・ビタミンが不足しているかバランスが悪い
  4. 頭皮が弱って毛細血管への血流が落ちてしまっている
  5. 体が冷えているからエネルギーが頭皮にまで巡ってきていない
  6. 全身の血の巡りが悪いから、頭皮への血流不足を招いている
  7. ストレスで毛細血管が緊張し血行が制限されている

血流不足と酵素の働きの低下が大きな原因なのです。その結果、中身の詰まったご自身本来の毛を作れなくなるのです。

育毛剤でこれを改善しようなんて考えないで下さいね。

ご自身の頭皮の自力がないのですから、それを改善せずに育毛剤の効果でなんとかしようとすると、その効果でハゲるなんてことになってしまいます。

詳しくは、「髪は増える!」を読んで下さいませ。

抜け毛に与える影響は?

血流不足と酵素の働きが低下すると、本来の毛を育てられなくなります。これって、抜け毛にどう言った影響を与えるのでしょう?

要は、細胞の生まれ替わりが不活発になっていく、と言うことなのです。

その為、薄毛になる前には、抜け毛が目立たないくらいに減っている人がとても多いです。

「抜け毛が増えて薄毛になった」とおっしゃる方々にお聞きするとほぼ100%の人が、「抜け毛が急増する前は抜け毛は目立たなかった」とおっしゃいます。

毛が抜けるメカニズム

ここで毛が抜けるメカニズムを振り返ってみましょう。本をお求めになられた方は32ページをご覧になって下さい。図解しているので分かりやすいと思います。

通常毛が寿命を終えて成長が止まった時には、次に生え替わってくる毛がその下に生まれています。そして、次に生え替わってくる毛に押し出されるようにして抜けるのです。

こうして毛が抜けるのが抜け毛です。

抜け毛が減ると言うことは、寿命を終えた毛を押し出す次の毛がまだ育っていないのに、生えている毛が早めに寿命を終えて成長が止まってしまうことなのです。

このような抜け毛の減少の際は、年間を通して抜ける毛が少ないです。

これ、分かりますよね。

ただし、毛の生まれ替わりが正常な時には、抜け毛の増える季節には増えて減る季節には減ります。

この場合の抜け毛の減少は、上記のような減少ではありませんので間違わないで下さい。

抜ける毛は比較的太い良い毛

抜ける毛と抜けた後に残った毛を比べた時、髪の毛がヘナッと寝てしまうような毛ばかりになってしまう場合、抜ける毛の方が古いので、比較的太めで中身の詰まった毛が抜けます。

古い毛は血流不足と酵素の働きの低下が、まだ起こっていない時に育っているのです。

血流不足と酵素の働きが低下して育った毛ばかりになってくると、中身の詰まっていない・寿命が短くなった毛が残るようになってきます。

すると、抜け毛が減るのに毛に元気が無くなってきて、ヘナッと寝てしまう毛ばかりが残るのです。

抜け毛が急増して地肌が見えるようになる

そんな毛がたくさん残るようになってくると、刺さっているだけの毛が残るので、何かがきっかけになって一気に抜けるようになります。

現在ご相談者に多い異常な抜け毛の正体は、全てこの抜け毛の増加です。

その為、抜けた後に残った毛は細いし中身は詰まっていないので、生え替わってきてもヘナッと寝てしまい、ウイッグのCMに出てくる女性のようになってしまうのです。

ひどい場合には、本当にハゲてしまうのではないか!と思うくらいに抜ける場合もあります。

血流不足・酵素の働き低下の原因

この原因になっているのが、頭皮を血流不足にして・酵素の働きを低下させてきた普段の生活習慣にあるのです。

例を上げると

  • 頭皮を清潔にし過ぎるケア(皮脂の取り過ぎ)
  • 定期的なカラーやパーマ・縮毛矯正
  • 食事制限するダイエット
  • 交感神経が亢進し続けるストレス環境
  • 動かない生活習慣
  • 動物性の食品が多い食習慣
  • 白砂糖や合成甘味料の多い食習慣
  • 等々

そして、年齢を重ねると誰でも細胞分裂が穏やかになってくるので、自然と毛の生え替わるサイクルが穏やかになってきます。(生え替わる本数が減るので、抜け毛が減り毛の本数も減っていく)

こういったことが積もり積もって、35才~40歳代以上になった時に、急激に抜け毛が増えて薄毛になるのです。
現在、年配の女性の薄毛が多い理由です。

ウイッグのCMも、年配の女性をターゲットにしている理由が分かると思います。

抜け毛の増加が問題なのではなく、「血流不足」と「酵素の働きを低下」させてきた生活習慣に問題があったのです。

だから、毛を増やすには、生活習慣を見直して「血流不足」と「酵素の働きの低下」を改善していく必要があるのです。抜け毛が減ることは毛が増える効果ではないのです。

ちなみに、今回書いた抜け毛の増加は、育たなくなった毛が無くなるまで減りません。その後増えるかハゲるかは、抜け毛が急増している時にどんなケアに取り組むかにかかっています。

276号は平成27年(2015年)11月14日に配信したメールマガジンです。

275号:あなたの毛を作り育てる能力は?

275号:あなたの毛を作り育てる能力は?

毛に元気が無くなってきたとか薄毛になったとか感じた時に、最初に見るべきところが今号のテーマです。

それは、あなたは毛を作り育てる能力が強い方?弱い方?か。

毛を作り育てる能力が強いか弱いかは、その人の生えている毛を見れば誰でもわかります。

  • 細くて柔らかい毛質の人は、毛を育てる力は弱いです
  • 太くて硬い毛質の人は、毛を育てる力が強いです

皮脂の分泌能力を見ても毛を作り育てる能力が分かります

  • 皮脂の分泌能力の弱い人は、毛を育てる力が弱いです
  • 皮脂の分泌能力の強い人は、毛を育てる力が強いです

ここで言う皮脂の分泌能力とは、頭皮が「テカっている」とか「テカっていない」のではなく、その人が元来持っている能力のことです。

現代人は頭皮がテカっているのに、皮脂の分泌能力が弱い人が多いのです。

見た目だけでは分かりませんので、アレルギーの有無とお肌の弱さ加減で判断して下さい。

皮膚の弱い人とアレルギーを持っている方は、皮脂の分泌能力が弱い場合が多いです。

薄毛になりやすいのは毛を育てる力の弱い人

薄毛になりやすい人は、毛を育てる力の弱い人です。

上記のように、薄毛になりやすい人は皮脂の分泌能力が弱いのですから、外部からの作用や刺激に負けやすいのです。

皮脂を取る行為や製品・カラー・育毛剤の作用等々に負けやすいと言えます。

元々毛を育てる力が弱いところに、上記のような刺激・作用を与えているとさらに弱ってしまうので、薄毛になりやすいのです。

だから、毛を育てる力の弱い人は、皮脂を取ったり・皮脂を取る作用の強いシャンプーを使うと駄目で、カラーや縮毛矯正・育毛剤の作用に頼るケアをしてはいけないのです(育毛剤を使ってはダメではなく、育毛剤の作用に頼るケアがダメなのです)。

育毛剤の効果で毛が増えるのは毛を育てる力が強い人

反対に、毛を育てる力の強い人は皮脂の分泌能力が強いですから、外部からの作用や刺激・作用を防ぐ力も強いです。

カラーをしても何ともないのがこんな人です。その為、皮脂を取って育毛剤を効かすようなケアで、毛が戻ることが多いのも毛を育てる力の強い人です。

ただし、皮脂を取って育毛剤を効かすようなケアはあくまでも対症療法なので、1度戻ったとしても、しばらくすると再度薄毛になってきます。

1度目、2度目くらいまでは効果が出ることがありますが、3度目以降はないと思った方が良いですね。

ですから、育毛剤の効果で戻った人がいた場合は、その人の体質や毛を育てる力が強いのか弱いのかを調べて下さい。

毛を育てる力が強い人が戻ったところで、大多数の毛を育てる力の弱い人の参考にはなりません。

毛を育てる力が弱い方の人の特徴

どんな人が皮脂の分泌能力が弱くて、毛を育てる力が弱いでしょう?
それは以下のような人です。

  • 何らかのアレルギーを持っている
  • 子供の頃アトピーや喘息だった
  • 皮膚が弱い
  • エアコンが苦手
  • 夏場の暑い時期にコンビニに入るには抵抗を感じる
  • 仕事場のエアコンには抵抗感がある
  • 季節の変わり目に体調を崩しやすい
  • 風邪を引きやすく、治りにくい
  • 血の気のないような顔色をしている

ざっと上げただけでも上記が思い浮かびます。
こんな体質の人は、拙著に書いているようなケアに出来るだけ早く取り組んで欲しく思います。

275号は平成27年(2015年)10月31日に配信したメールマガジンです。