髪の毛は、常に抜けては生え替わりを繰り返して総本数を維持しています。だから、抜け毛は常について回るものです。抜け毛が減るのは生え替わる毛が減る事。
薄くなっている部分を見れば、「発毛させたら良いじゃないか!」って思えてしまいます。
その心は何でしょう?
たぶん、ほとんど人は「太くて寿命の長い本来の毛が発毛してくるはずだ」と期待しているはずです。
では、薄くなるとはどう言った症状を言うのしょう?
これが分からないと発毛させることが必要なのか?発毛させれば髪の毛が増えるのか?どうかの判断ができないですよね。
薄くなるとは生え替わってくる髪の毛が、以下の2つになってくるからです。
半分の細さになった時に発毛させれば、半分の細さになった毛しか発毛してきません。
成長期が半分になったら、成長期が半分の毛しか発毛してきません。
そんな毛しか作れない頭皮・心身だからです。
これが分かれば発毛させても薄毛が治らないだけではなく、下手をすると逆効果になることが分かります。上記の細さと成長期には「良くても」と言う前提があります。
たいていの場合、発毛させるとは頭皮や毛穴に無理を強いる結果になるので、さらに細い毛・成長期の短い毛しか発毛してこなくなるのです。
毛は意識的に操作できるものではないことも分かって欲しく思います。
毛には生え替わるサイクルがります。
人により違うので画一的には言えませんが、1本の毛の成長期が3年とすると、薄毛の人の場合は2年とか1年に短くなっています。
例えば、成長期が1年に短くなっていた人の場合は、生えている毛は1年で抜けてしまいます。
通常は、あと2年したら芽を出して伸びるのです。そのタイミングにハマった時の発毛ケアで
毛が生えてくるのです。
上記のタイミングにハマった場合でも、頭皮や毛穴に負担を強いる結果になります。
毛は次に生え替わる為に4ヶ月程度毛穴内部で熟成します。
それを無理して、十二分に毛穴内部で毛が熟成しない状態で発毛させたらどうなるでしょう?
言わずとしれた、もっと育たない毛で発毛してくることになっていきます。
だから、発毛させるケアで毛が増えた人がいないのです。時折増える人がいらっしゃるのは例外的な人です。
例外的な人でも、続けていると段々と効果が続かなくなっていき、最終的に何をしても効果に繋がらくなっていくのです。
失敗するのですね。
271号は平成27年(2015年)9月5日に配信したメールマガジンです。
『あなたは、抜け毛を減らしたいのですか?』とは、「髪は増える!」と言う書籍の一番最初に書いた文面です。
何故この文面を一番最初に書いたのかと言うと、ご相談者のほぼ全てが抜け毛を減らしたがるからです。
こんなことを書いている私も、この仕事を始めるまでは抜け毛を気にしていましたから偉そうなことは言えません。
目に見えるものだから、気になるのは仕方がないことですが・・・。
ただ、一つだけ知っておかないと駄目なことがあります。
それは、以下のことです。
え?不思議に思いますよね。
毛が抜けて薄くなるのだから、因果関係があるでしょ!と。俺も抜け毛が増えて薄毛になったぞ!と
でも因果関係はないのです。
では、お聞きします。
あなたの毛は抜けないのですか?
毎日1本も抜け毛はないのでしょうか?
そんなことはありませんよね。
必ず、毎日抜け毛があって、フサフサの毛を維持できているのです。
もっと詳しく言えば、
毎日抜け毛があって、抜けた毛と同じ毛・同じ本数の毛が生え替わっているからフサフサの毛が維持できているのです。
毎日抜け毛があるけど、抜けた毛と同じでない毛・同じでない本数の毛に生え替わっているから薄毛になっていくのです。
最初は細くなってきて、次第に成長期が短くしか育たない毛に生え替わっていくのです。
それも何年もの時間をかけて順番に生え替わりながら。
成長期が短くなってくると、成長せずに刺さっているだけの毛が増えてきます。抜けずに残るので抜け毛の本数は減り気味になります。
あるとき、シャンプーを替えたり環境が変わったりすると、それに反応して刺さっているだけの毛が一気に抜けることになります。
すると、通常の抜け毛と刺さっているだけの毛の抜け毛が合わさるので、とてもたくさん抜けるようになります。
それでも、抜けた毛は生え替わってきます。
ところが、生え替わってくる毛の成長期は段々と短くなっていくので、頭皮の表面に出ている期間が短くなっていきます。
すると、維持できる本数が少なくなっていき、抜ける本数が段々と少なくなっていくのです。
数センチも成長しない毛ばかりになってしまうと、平均30本前後ある抜け毛はシャンプー時に10本程度しか抜けなくなってしまいます。
こうして、維持できる本数が減っていくのです。
男性の場合は、成長期がゼロになってしまうと、二度と生え替わってきません。女性の場合は、成長期がゼロになってしまうことはほとんどありませんが、無理に発毛させようとするような無茶をしていると、女性でも生え替わってこなくなります。
見た目にはどうしても抜け毛に目がいきますから、ある程度抜け毛が気になるのは仕方がないでしょう。
でも、抜け毛の本数よりも、どんな毛が抜けているか?の方が大事です。
上述しました通り、大きな問題は抜け毛ではなく、毛がちゃんと成長しているかどうかが問題なのだから、見るべきは抜け毛の本数ではなく抜けている毛の種類の推移です。
と言うと、細くて短い毛が抜けると危ない!と単純に判断する人が出てくるのが世の中です。
人は機械や人形ではありませんから、きっちりしているものではありません。
たいていの人は、フサフサでも細い毛・短い毛は抜けます。
問題は、その割合の推移です。
細い毛・短い毛の割合がどう推移してきているか?を見て下さい。それも、3ヶ月か4ヶ月くらいのサイクルで見て欲しいですね。
抜け毛がご自身本来の毛が全体の8割前後で推移していれば問題はないでしょう。細くて・短い先細りの毛の割合が2割前後で推移していれば問題ないでしょう。
薄毛が発症し始める初期の頃は、細い毛と太い毛が5分5分になっていることが多いです。
たぶん、この頃には毛に元気がなくなっていて、セットが決まらなくなっていたり、女性の場合には「私の毛じゃないみたい」と感じる頃かもしれません。
シャンプーを変えようと思ったり、育毛剤を検討する頃ですね。
こんな頃に、今回出版した本の中に記述しているケアを、あなたに合して取り組んで下されば、
1年2年くらいで元に戻る可能性が高いです。全体の5割~6割の方が元に戻るのではないか?と思います。
取り組む内容の中で「これは嫌だ!」「これは出来ない」と感じた事が、あなたの大きな問題だと思うので、できるようにご自身の習慣を変えるよう努力して下さいませ。
270号は平成27年(2015年)8月22日に配信したメールマガジンです。