255号:あなたは、抜け毛を減らしたいのですか?毛を増やしたいのですか?

抜け毛を減らして発毛させて、毛を無くしている。抜け毛を減らすと生え替わる本数も減るから。毛は抜けながら薄くなり抜けながら増えるもの。

255号:あなたは、抜け毛を減らしたいのですか?毛を増やしたいのですか?

あなたは、抜け毛を減らしたいのですか?毛を増やしたいのですか?

育毛相談の現場で仕事を続けてきて15年以上、この間、ご相談者の話に抜け毛が出てこないことはありません。

どこかの発毛サロンがTVCMで、「抜け毛を減らして、発毛させよう」なんて謳ったものだから、
「抜け毛を減らして(もしくは、無くして)、発毛させたいんです。」

なんておっしゃる方までいらっしゃいます。

抜け毛を減らすのは簡単

抜け毛を減らすだけならとても簡単です。全ての毛が無くなれば、抜け毛は100%の確率で「ゼロ」になります。

こんなことを助言すると
「いえいえ、抜ける毛を無くして、毛を生えるだけにしたい」
と反論されることも往々にしてあります。

こんなご相談者の話を聞いていると、TVCM等のマスメディアの影響は大きいと思いますね。

あなたの毛は抜けてこなかったのか?

そんなご相談者にお聞きすることがあります。例えば30歳の方のご相談で、25歳から気になり始めたとします。

私:「生まれてから25歳になるまで、毛は抜けていなかったのですか?」
こんな質問を投げかけると、

ご相談者:「いえ、抜けていました」
とお答えいただきます。

薄毛になっていないのに、毛はちゃんと抜けているのです。

この時に以下のようにお聞きするのです。

私:「25歳まで毎日毛は抜けていたのに薄毛になっていませんよね。25歳以降も同じように抜けているのに、どうして30歳で薄毛になっているのでしょう?」

薄毛になっていく時にも、毛はちゃんと抜けているのです。薄くならない時も薄くなっていく時も、毛は必ず抜けているのです。

25歳までと25歳以降とで、いったい何が違うのでしょうか?

本数の違いを指摘する人もいらっしゃるでしょう。が、薄くない時の抜け毛の本数を覚えている人は100%いませんので、本数の違いがあると言うのは調べようがありません。

また、抜け毛の本数は季節や環境によって倍くらいの差が出ることもあるので、参考資料にするのにも少し無理があります。

ここに、毛が増える為の育毛の効果を見る鍵があります。

抜けた後に育っている毛

もし、抜け毛で見るなら、抜けている毛の中身の変遷です。本数ではなく、中身がどう変化してきたか?で見ると分かりやすいです。

薄くなっていく際には、次のような抜け毛の中身の変遷を辿ります。

  1. 太めの毛に細い毛が混じり始めて
  2. 細い毛の割合が5割を超え、
  3. 細い毛の中に先細りの短い細い毛が見え始めて
  4. 太めの毛が無くなり、細い毛が減り始めて先細りの毛が増え始めて
  5. 先細りの短いばかりになる

一つ一つの段階に2年~3年くらいでとても個体差があり、かつ、必ず「5」までいくとは限りません。女性は「5」までいくのは非常に稀な場合です。

薄毛になったと気付くのは、「2」くらいの時、急激に進行していくのは「4」くらいの時、「5」くらいの時には、毛の本数が少なくなり抜け毛も極端に少なくなっています。

が、現実の育毛のケアで抜けている毛の中身を見ていると、毛が増える際と減る際には、同じような抜け毛の変遷になることが多いので、あくまでも見た目の変化を見ながらの参考資料にしかなりません。

この抜け毛の変遷を見ると分かることがあります。それは、抜ける毛の中身が、本来の太い毛から段々細くなり短くなっていると言うこと。

言い換えれば、以下の2つのが言えます。

  • 本来の太い毛から細い毛に生え替わっている。
  • 細い毛から先細りの毛に生え替わっている。

要は、抜けている毛が問題なんじゃなく、抜けた後に生え替わってきている毛が問題なんですね。

抜け毛の中身の問題

薄毛が改善する際にも、抜け毛の中身には細い毛が混じってきたり、先細りの短い毛が混じったりします。

私は、この仕事を始めた時には、「細い毛や先細りの短い毛が抜けていると危ない!」と感じていましたが、
実際上は、薄毛が改善し始める時も同様の毛が抜けることが多いです。

薄毛の進行度が、上記の抜け毛の中身が「1」の段階の時は、改善していく際には、細い毛の割合が減っていきます。

が、「2」以降になってくると、改善する際には抜け毛の中身に「先細りの毛」が増える場合もあります。

「4」「5」の段階になっていると、改善する際には抜け毛の本数はとても増え、かつ雑多な毛が抜けます。

ですから、抜け毛の中身だけで判断していると間違えることがあります。

以上のことから分かるのは、抜け毛を減らしても薄毛は改善しないと言う事実です。

薄毛を減らすのが目的ではなく、毛を増やすことが目的ですから、次に生え替わってくる毛が本来のあなたの毛に育つ必要があるのです。

あなた本来の毛とは=本来の太さで本来の寿命まで育つ毛のことです。

全ての毛があなた本来の毛に育つことで、抜け毛の本数があなた本来のものに増えて密度もあなた本来のものになるのです。

あなた本来とは?

「あなた本来」を勘違いしている人が多いので一言。
あなた本来の毛とは、今のあなたの年齢に応じた毛のことです。

人は年齢を重ねると、体も髪も顔も形が変わります。
同窓会なんかをすると、中学校時代と30歳になった時では面影が残っているけど、変わっている人がほとんどですよね。

30歳なのに中学の時と同じ髪に戻るなんてあり得ないのです。

255号は平成27(2015年)1月24日に配信したメールマガジンです。