231号:発毛させる行為はヘアサイクルを狂わす

ヘアサイクルって何? 抜け毛を減らすにしても、発毛させるにしても、ヘアサイクルって何のことか分からないと、効果云々を言うことができませんよね。 ただ、最近の育毛剤の広告やそのホームページを見ていると、たいていのところは、 […]

231号:発毛させる行為はヘアサイクルを狂わす

ヘアサイクルって何?

抜け毛を減らすにしても、発毛させるにしても、ヘアサイクルって何のことか分からないと、効果云々を言うことができませんよね。

ただ、最近の育毛剤の広告やそのホームページを見ていると、たいていのところは、そのことについて書いているので、ご存知の方は多いかもしれません。

が、確認する為にも同じようなことを書いておきます。

毛が生え変わる周期と言えば良いでしょうか?

そうなんですよね。
毛には常に抜けて生え替わっている周期があるわけです。

  • 休止期
    次に生え替わる為に毛穴内部で育っている段階:約4ヵ月
  • 発毛期(脱毛期)
    生え替わる為に毛の芽として出てくる段階(前の毛を押し出す=抜ける):以下の成長期の初期
  • 成長期
    芽の出た毛が成長していく段階:男性で2~3年、女性で4~6年と言われている
  • 退行期
    上記の成長期の終わり頃で成長しなくなる段階
  • 脱毛期(発毛期)
    次に育つ毛に押し出されるように抜ける段階

この中で一番大事なのは、どの段階だと思います?
少し考えて下さい。
























答えがでましたか?

たいていの人は、成長期が伸びれば良いから、成長期が一番大事だと思っていらっしゃるでしょう。
どの育毛剤の広告もそうだし、どのホームページでもそんなことを書いています。

発毛期の前がとても大事

ところが、一番大切なのは実は休止期なのです。休止期の段階で、次に生え替わる毛が次に育つべき毛として熟成することで成長期が十分伸びるのです。

休止期の段階は、脱毛期と並行している段階で、別個の期間ではありません。
抜ける毛にとっては脱毛期に当たりますが、次に生え替わってくる毛にとっては休止期に当たります。

次に生え替わってくる毛にとっては休止期と言うよりも、毛の卵の成熟期と言って良いくらいです。

薄毛でない時は

通常薄毛でない時には、休止期(成熟期)に次に生え替わる毛が、毛穴の内部に育って成熟しています。

十二分に成熟することで、芽が出た後に十二分に成長して脱毛期に抜け落ちるわけです。

薄毛になっている人・部位では

反対に、薄毛になっている人や部位の毛は、抜け落ちた後に、次に育つ毛の卵が成熟しきれないのです。

成熟しきれずに芽を出して伸びるので、すぐに抜け落ちてしまうのです。
ヘアサイクルが乱れている
のですね。

休止期の間に次の毛が成熟するには

こう見てみると、薄毛を治すには、次に育つべき毛が休止期に毛穴内部で十分成熟する必要があるのがわかります。
その為に必要なのが、頭皮の状態なのですね。

頭皮の状態が薄毛になる前のように、毛細血管に自然に十二分血が流れていることが大事なのです。

毛細血管の本数と血流

毛細血管に十二分に血が流れると同時に、その本数も多くなる必要があります。

そうなることで、休止期の毛根に自然と常に新鮮な血が補給されるので、次に育つ毛が成熟していくのです。

発毛させるは成熟度を奪ってしまう

育毛剤や発毛させるケアの効果を、広告やホームページで見てみると、血流が十二分でないのに血管を拡張させて無理やり血を集めようします。

もしくは、血流が十二分でないのに無理やり毛母細胞を活発化させようとします。

血行を促進しようとするのや毛母細胞を活発化させるのは、確かに効果があるように思えます。

発毛ケアの落とし穴

実は、薄毛になっているのは、頭皮が疲れていたり・弱っていたり・老化していたり・異常があったりして、自分の力で血流を良く出来ない状態なのです。

こんなところに、上述のように、外部からの作用や刺激で無理やり血行を良くしようとしたり、毛母細胞を活発にしようとすると、さらに頭皮が弱って血流低下を起こしてしまいます。

まるで、寝込んでいる病人に、無理やり運動をさせているようなものです。

ですから、最初は効果があって良いように感じるのに、発毛のケアを繰り返したり、何ヵ月も何年も続けていると、次に生え替わってくる毛が成熟しない状態で芽を出して伸び始めるのです。

発毛ケアでヘアサイクルが狂う

ミノキシジル製剤を使って、産毛が生えたけどすぐに抜けてしまったとか、効果があって増えたけど続けていたら駄目になってしまうのは、発毛のケアを続けたことで生え替わるサイクルが狂ってしまうことを表しているのです。

発毛のケアは一時的に効果がある場合があるが、最終的には毛を無くす可能性が非常に高いのです。

ヘアサイクルを考えれば、「抜け毛を減らして発毛させる」のは、毛を無くす可能性の高い効果だとお分かりになると思います。

231号は平成26年(2014年)2月22日に配信したメールマガジンです。