育毛剤の効果は薄毛の原因を解決しない 平成25年(2013年)9月1日~平成25年(2013年)11月31日 この間に新聞の紙面上の広告に出ていた育毛剤について、前回前々回と記述しました4つの習慣について解決するような育 […]
直接頭皮を拝見して10年。
私は、さいたま市の相談室で、直接頭皮を拝見してご相談をお受けしています。
相談室を開設したのが2004年ですから、ざっと10年くらい頭皮を拝見してきたことになります。
育毛関係するキャリアは私よりも長い方はたくさんいらっしゃるでしょうが、「皮脂を取っては駄目ですよ!」と言っていたのは、私の師匠筋くらいではないかと思います。
まぁ、ネット上では私の発信情報や師匠筋の発信情報を見て、同じことを言っている人はいらっしゃいます。
が、中には、「皮脂を取らないといけない」と言いながら、途中から「皮脂を取ってはいけない」と、正反対に意見を変えてしまう人もいらっしゃいますから、見る情報には気を付けたいものです。
さて、この10年間ご相談者の方々の頭皮を見ていて感じるのは、10人中6~7人くらいまでが皮脂の取り過ぎで頭皮をダメにして、毛を無くしていることです。
世間的には男性の場合は「男性ホルモンの影響だ」と言われていますが、実際にご相談者の方のお話を聞き、頭皮を拝見させて頂くと、「そうではないよなぁ」と感じるのです。
私の仮説の域を出ませんが、皮脂を取ることを続けてきた為に、頭皮が痛んだり弱ったりして、遺伝子の働きが角化細胞を抑制する方に影響するのでは?と思うのです。
習慣によって遺伝子の働きが変わると言われているので、あながち的外れではないと思っています。
女性の場合には「男性ホルモンが原因」とは考えられません。
美容外科では、何とか女性にもプロぺシアのような薬を出したいようなので、今後女性なのに「男性ホルモンの影響で」なんて話が出てきそうですが、薬に頼るケアだけはしない方が良いです。
習慣的に行っている洗髪で皮脂を取り過ぎて、取り過ぎたところにカラーやパーマ・縮毛矯正をしているから薄毛になっている女性が8割ですね。
その他、「血」や「気」が原因と思われる女性が2割くらいです。
加齢や更年期・ホルモンのバランス云々が言われますが、相談室でご相談を受けている限りでは、あまり関係ないように思います。(ホルモンのバランスに関しては、バランスを崩している原因が問題)
ヘアケアの習慣を修正し、「血」「気」のことを考慮に入れると、年齢に関係なく回復してきますから。
ただし、医薬品で強引に何とかすることはしないので、女性の毛の生え変わるサイクルに応じて回復してきます。
と言うことは、1年や2年で戻ることはないと言うことです。
薬で強引になんとかすると、回復は早いですが副作用と言う危険が伴います。この副作用を安易に考えている医師が多いので困りものですね。
皮脂を取り過ぎてカラーやパーマ・縮毛矯正をするのは、男性の場合にも大きな原因になっています。
皮脂は人間の体を守る為に分泌されています。内部から外に向かって分泌され皮膚を覆うことで、乾燥や細菌の侵入から体を守っているのです。
守る為に分泌されている皮脂を悪者扱いしたり、育毛剤を効かす為に取り除くことをすると皮膚に異常が出てきて何もできなくなります。
例えば、剥がれた皮膚を放置してみて下さい。すぐに乾燥してしまい、カパカパになってしまいます。
また、皮脂を取るのは角質層を削ることになるので、皮膚表面を痛めたり、傷つけたりすることになるのです。
すると、人の体は皮脂の分泌を増やして皮膚を守ろうとするので、毎日シャンプーで皮脂を取り除くことをしていると皮膚表面の皮脂の分泌が増えてテカって見えるようになります。
その為、皮膚が赤くなったり、フケ症になったり、痒みが出たり、匂うようになるのです。
その典型的な症例が、脂漏性湿疹や皮膚炎です。
現在、頭皮が赤くて痒みのある人は、脂漏性湿疹・皮膚炎になっているか、なりかけているかだと思います。
皮脂を取り過ぎることとほぼイコールですが、清潔にするのも良いことありません。
清潔にするのは、皮膚に何もない状態を作り、皮脂の分泌を促すことになります。
皮脂は皮膚常在菌にとっては格好の餌になり、繁殖を邪魔するものがなくなるのですから、異常に繁殖しやすい環境になります。
また、清潔にするとは、界面活性作用の強い洗髪をすることでもあるので、シャンプー剤に含まれる界面活性剤の浸透作用により毛穴内部に入り込むことに繋がります。
頭皮の皮膚を削り、角質層が荒れて、皮膚常在菌が繁殖しフケ症になり、炎症を起こし、匂うようになり、毛の固着力の低下した抜け毛(広汎性脱毛)が増えるのです。
ですから、皮脂を取るようなシャンプーで、皮脂をとる洗髪をしてはいけないのです。
229号は平成26年(2014年)1月25日に配信したメールマガジンです。
ご相談にいらっしゃる方のほとんどは、過去に何らかの育毛剤を使っていらっしゃいます。
中には、「育毛剤で増えるとは思えない」とおっしゃる方もいますが少数派です。
たぶん、このメルマガ読者の方の中にも、経験者の方や現在使用中の方もいらっしゃるでしょう。
ところが、育毛剤の効果で毛が「増えた」「元に戻った」と言う人を、私は生まれてこの方聞いたことがありません。
この仕事を始めてから、「一時的に増えた」「一時的に戻った」と言う人には、少ないながら何人かの方に出会っただけですね。
あれだけ広告で訴えているのに、どうして育毛剤では毛が増えないのでしょうか?
本当に育毛剤で毛が増えて元に戻るのでしょうか?
リアップは、発売初年度400万本売れて、10年での累計販売本数は4500万本を超えているそうです(2017年で6000万本突破)。
リリジュは、累計発売本数は400万本を超えたそうです。
柑気楼は、愛用者が430万人突破したそうです。
これだけ売れているのだから、薄毛人口が減っているのか?と言うと、反対に増えているのですね。
男性の場合、1980年代の頃は620万人くらいと推定されていますが、現在では髪に不安を持っている男性は2500万人くらいと推定されています(リーブ21調査)。
女性の場合、昔は女性は禿ないと言われていたこもあり、過去のデーターはありません。現在は、髪に不安を持っている女性は推定で1700万人とも言われています(リーブ21調査)。
当然、日本人の平均寿命が伸びていますから、老齢人口が増えれば、当然薄い人も増えるので、その影響で薄毛人口が増えている面もあります。
が、女性の薄毛人口=毛に不安を持っている人が増えているのは、少々異常としか言いようがありません。
薄毛人口が増えるから、育毛剤が売れるのか?
育毛剤に効果がないから、薄毛人口が増えるのか?
それはわかりません。
一つ言えることは、現状のままで育毛剤の効果に頼っていても薄毛が治らないだけでなく、ハゲてしまう可能性が高いと言うことです。
育毛剤が悪いのではなく、育毛剤の効果で何とかしようとするところに問題があるのですね。
「現状のまま」と上述しているのは、薄毛になっている「頭皮」「体」「心」のままでは、育毛剤の効果では薄毛を治せないのです。
では、どんな「頭皮」「体」「心」だと、育毛剤の効果で薄毛を治せるのでしょうか?
それは、薄毛ではなかった時の「頭皮」「体」「心」だったら、育毛剤が効き薄毛を治せるのです。
薄毛でなかった時とは、あなたの毛がフサフサにあり、毛に対して何の不安も持っていなかった時のことです。
薄くなった時に初めて育毛剤を検討するのに、育毛剤が効くのが毛に不安がなかった時だなんて、とっても腹立たしいですね。
だから、これだけ育毛剤が売れているのに、薄毛人口が減らずに増えているのです。
問題は、これだけではありません。
前号で書いた新聞広告に載っていた育毛剤の効果を見てみると、「頭皮環境を整える」とうたっているものが多いです。
ところが、ほとんどの育毛剤は薬用なので医薬部外品です。
医薬部外品に指定されていると言うことは、有効成分の配合比率がある程度決まっているはずなので、アルコール濃度が高いはずです。
薄毛の人の頭皮は、毛が育たないほど弱っているので、高いアルコール濃度では刺激が強過ぎるのです。
結果、頭皮環境を整える前に、頭皮がアルコールの刺激に負けてしまうのです。
頭皮がアルコールの刺激に負けると、抜け毛が減ります。
育毛剤の口コミの中に、「抜け毛が減って効果を感じています」なんて投稿を見ることがありますが、アルコールの刺激に負けている可能性が高いのです。
こんな理由から、育毛剤が売れていても薄毛人口が減らずに増えているとも言えるのです。
そして、もう一つ。
薄毛になりやすい人は元来皮膚が弱い人が多いです。
これらの人は、薄毛であっても、薄毛で無くても、アルコールの刺激に弱いので、効果のある育毛剤を使えば使うほど毛が無くなっていきます。
効果のある育毛剤とは、有効成分の配合率が高いので必然的にアルコール濃度も高いのです。
上述したこととは矛盾しますが、薄毛を治すのには、育毛剤が必要な場合が多いです。
育毛剤じゃなくても、それに近いものが必要なことが多いです。
でも、それは薄毛でなかった時の「頭皮」「体」「心」に回復していることで始めて有効に働くのです。
ですから、薄いからと言う理由で、すぐに効果のある育毛剤探しは命取りになることもあり得ると思って下さいませ。
228号は平成26年1月11日(2014年)に配信したメールマガジンです。
平成25年(2013年)9月1日~平成25年(2013年)11月31日
この間に新聞の紙面上の広告に出ていた育毛剤について、前回前々回と記述しました4つの習慣について解決するような育毛剤があるのかどうか考察してみます。
まず、何と言う育毛剤の広告が出ているのでしょう?
控えていませんが、この中に2回か3回薬用育毛剤「蘭夢」と言う育毛剤の広告が出ています。
以下に各育毛剤の広告に表示されている内容を読んで、各育毛剤がどんな原因に対する効果を出そうとしているのか?を確認したいと思います。
広告紙面では、以下が治せない原因としています。
硬くなって乾燥しがちな女性の頭皮に潤いを与え、頭皮の保湿ケアに重点を置いているらしいです。
「リリジュ」が考える原因が不明。
原因が不明なのに対処法が間違ていると言う訴えだけで、乾燥したり潤いを無くしたりする原因が何なのか、はっきりしません。
広告紙面では薄毛の原因に関しては記述がありません。その代わり、頭皮環境を整えることを訴求しています。
6種類の潤い成分と24種類の地肌ケア(保湿)成分と3種類の有効成分とで上記の2つを行います。
結果として
「新髪24」の目的が大きく打ち出されているだけで、頭皮環境を乱す原因を考慮していないのに、どうして結果に結びつくのか疑問に感じます。
広告紙面では薄毛の原因が何なのか?に関する記述は全くありません。その代わり、「髪姫」の特徴のみを訴えている。
原因が不明なのに、生薬100%の効果で、どうして毛が増えるのか理解できません。
広告紙面では女性の薄毛の原因を以下のようにしています。
これに対して「フルリア」は、2つの育毛成分が髪の短縮化を防ぎ発毛促進と脱毛予防をする。としています。
原因としていることと「フルリア」の効果が結びつきません。
育毛剤の効果で短縮化を防ごうとしても、短縮化の原因が常について回るのにどうして効果に繋がるのでしょうか?
広告紙面では効能結果は記述されていますが、何故この結果に繋がるのか?全く不明でした。
単に知らしめるだけの広告のようなので、モアムッシュに関する感想はありません。
広告紙面では薄毛の原因は頭皮の老化かもしれない。と少しだけ記述されています。が、頭皮を老化させる原因については記述なしです。
効果効能は以下の通りです。
育毛、薄毛・かゆみ・脱毛の予防、発毛促進、養毛
この育毛剤も薬用ではありますが、薄毛の原因についての記述がありません。
頭皮を老化させる原因が何なのか不明なのに、それを防がないで、どうして効果効能に結びつくのか不明。
広告紙面では薄毛の原因に関する記述は一切ありません。
記述されれている内容のほとんどが、体験者の一言二言と、「1ヶ月で1本を使って、効果を実感しない方からは代金を頂きません。」との訴えかけが全て。
効能効果
脱毛の予防、薄毛、毛生促進、発毛促進、育毛、フケ・痒み
「まず一度使って下さい。」とのこと。薄毛になっている原因を知らずに、効果だけで増えるのでしょうか?
広告紙面では薄毛の原因として
上記で頭皮の血行不良を招き、頭皮が硬くて潤いがなくなり、毛の成長に必要な栄養が届きにくくなる。
頭皮が潤い、成分が浸透しやすくする。頭皮環境を整えて、健康なヘアサイクルを取り戻す。シャンプーも一緒に試せるらしい。
広告に出ていた育毛剤の中で、一番内容が良いように感じたが、過度のヘアスタインリングだけにしか対応できないと言えます。
少々長くなってしまいましたが、総括します。
薬用=医薬部外品が多く、いずれも頭皮環境云々を訴えています。
ほぼ全ての育毛剤は、効果効能ばかりが前面に出ていて、薄毛の原因の中で何に対処できるかが分からないものばかりでした。
要は対症療法ばかりで、前回・前々回と記述した内容を解決する育毛剤がないのです。
悪くなっている頭皮環境を整えよう!とするのは良いのです。
が、一番大事なのは、頭皮環境を悪くしている本元の原因を取り除くことなのに、それが全て脱落しているのですね。
育毛剤には効果があります。
その効果では薄毛を治せない理由が、お分かりになりましたでしょうか?
570万本も売れている女性用の育毛剤があるのに、女性の薄毛人口が減らずに増えている理由は、本元を解決していないからなのですね。
ちゃんと自分のことを知って、自分に必要な方法を採りましょうよ。
227号は平成25年(2013年)12月14日に配信したメールマガジンです。